消滅寸前まで追い込まれた母島南崎海鳥繁殖地ですが、草地に穴を掘って営巣するオナガミズナギドリは 2009年から毎年巣立ちが確認されるようになりました。
一方、地上で営巣するカツオドリはデコイを置いて誘致してきましたが、仲間の消えてしまった繁殖地に戻ることは非常に難しかったようで、周辺を飛ぶことはあっても降り立つ姿はありませんでした。半ば諦めかけていた 2014年5月、10年ぶりに1組のカツオドリが降り立ち営巣、9月には無事ヒナの巣立ちも確認されました。以後、毎年カツオドリが降り立ち営巣するようになっています。
推定生息数40羽程度、「森の中で暮らす幻の鳥」と言われていたアカガシラカラスバトですが、2012年夏、集落地域を含む海岸域に40羽以上のハトが現れました。2013年以降も春から夏にかけて集落域で見かけることが多くなり、島民にとっても身近な鳥になりつつあります。「あかぽっぽ」の愛称で親しまれています。
頭が赤い成鳥だけでなく、全身が黒い若鳥(愛称:くろぽっぽ)の出現や、時には集団でみかけられるなど、推定個体数は600羽程度(2016年時点)まで回復しています。
『島ネコ マイケルの大引っ越し』 2008年発行 環境省(非売品)
捕獲されたネコ第1号の「マイケル」をモデルにし、活動を紹介した絵本です。
『野鳥もネコもすくいたい!』 2011年7月発行 高橋うらら著
2005年母島南崎での最初のノネコ捕獲からの活動の取り組みが、子供にも分かりやすく書かれています。
『小笠原が救った鳥』 2018年5月発行 有川美紀子著
ネコプロジェクトがどのようにして始まり、どのように取り組んできたのか…が詳しく書かれています。
活動をはじめるきっかけとなった母島南崎では、地上で営巣するカツオドリも2014年から繁殖が確認されるようになりました。10年以上の歳月がかかりましたが、海鳥繁殖地が復活してきています。
日本で絶滅の危険性が最も高いと言われたアカガシラカラスバトも、少しずつ数を増やし、600羽程度(2016年現在)まで回復してきています。
島で暮らす人々も見かける機会が増え、島の景色が変わってきました。
ただし、種として存続し続けるためには、1,000羽程度が必要と試算されています。
ネコは繁殖サイクルが非常に速く、ねずみ算式に数を増やします。
環境省では、1匹のメスネコが3年後には2,000頭以上に増えると試算しています。
山の中のネコをゼロにしない限り、小笠原で暮らす野生動物たちの危機は解消されません。
優秀なハンターであるネコは山から引っ越しをしてもらい、【かつての小笠原の生態系に戻す】 ことが、私たちの目標です。
どうぞ、みなさまのご協力をよろしくお願いします。
【 お問い合わせ先 】
→譲渡に関して:小笠原ネコに関する連絡会議
→小笠原諸島のネコ対策に関して:環境省小笠原自然保護官事務所
→このホームページに関して:小笠原村環境課