2005年春、母島南崎の海鳥繁殖地が野生化したネコによって消滅寸前であることが分かりました。
同じ年の冬、小笠原諸島にのみ数十羽しか生息しないといわれているアカガシラカラスバトの重要な繁殖地である父島東平でも、野生化したネコが目撃され捕食の危険が高まっていました。
有志と多くの行政機関の協力を得て、ネコの捕獲が始まりました。
母島南端の南崎。
カツオドリ、オナガミズナギドリが繁殖する有人島最後の大型海鳥コロニーがありました。
1997年には、NHKの「野鳥百景」にも選ばれています。
2005年春、「海鳥の死がいが岬に何羽も散らかっている…」島民からの通報を受けて、調査のためのセンサーカメラを仕掛けてみると…
そこには自分よりはるかに大きいカツオドリをくわえたネコが写っていたのです。
2005年6月行政と母島島民ボランティアによるネコの捕獲がはじまりました。
6月16日 茶トラのネコが捕まりました。様子を見ようと近づくとカゴごと数十センチも動いてしまうほどの凶暴なネコでした。
捕獲されたネコ第1号は、島で「マイケル」と名付けられました。
環境省のレッドリストには、14種の日本の絶滅鳥の名前が掲載されています。このうち6種が小笠原で絶滅しました。
アカガシラカラスバトは小笠原諸島にのみ生息する鳥で、推定40羽程度、森の中で暮らす「幻の鳥」と言われ、絶滅の危険が高まっていました。
2005年冬、アカガシラカラスバトの重要な繁殖地である父島東平でも、野生化したネコが度々目撃され、捕食の危険が高まっていました。
行政と島民ボランティアによるネコの捕獲が、ハトの繁殖期である冬の早朝・夕方に交代で行われました。
捕まえたネコの安楽死の方法を東京都獣医師会に相談したところ、「野生動物は小笠原でしか生きられないけれど、ネコは都会でも幸せになれるはず。どちらの命も救いましょう」 と、ネコの東京搬送が始まりました。
島でのネコの世話も、船での搬送も手探りの状態でした。
2008年1月、『アカガシラカラスバト保全計画づくり国際ワークショップ』を開催しました。
参加者120人が3日間かけて、アカガシラカラスバトの絶滅回避を目標に導き出した最も重要な対策は【飼い主のいないネコをゼロにする】 というものでした。
【 お問い合わせ先 】
→譲渡に関して:小笠原ネコに関する連絡会議
→小笠原諸島のネコ対策に関して:環境省小笠原自然保護官事務所
→このホームページに関して:小笠原村環境課